HOME特集記事 > 栄養士さんご紹介 第7回 本郷 朗子 先生(学校給食ごはん Vol.7 - 2014 冬号掲載)

栄養士さんご紹介第7回

札幌市立東札幌小学校・栄養教諭
本郷 朗子 先生

なにだれたべるかが だいじだよね

食を通して地域を知る。
北海道の郷土食、ザンタレ丼と石狩鍋がこの日の給食に

 今回訪れた東札幌小学校は地下鉄白石駅のすぐそば、開校50周年となる2014年3月に完成したばかりの広くて立派な校舎にびっくり。玄関を入ると、取材班一行を歓迎するカレーライスつき立て看板にまたびっくり。

 藤田千惠子校長先生にごあいさつした後で、『学校給食ごはん』7人目の栄養士さんである本郷朗子先生と簡単な打ち合わせ。東札幌小学校は児童数521名、うち20名が「にれ学級」という特別支援学級で学んでいます。ふだんは1年生から6年生まで3つの教室に分かれていますが、お昼になってプレイルームに全員集合したところへお邪魔をしました。本郷先生に紹介されてあいさつをすると、何倍もの大きく元気な「こんにちはー!」が返ってきました。これから、給食前のミニ食育授業の始まりです。先生手づくりの指人形しろっぴーが登場、今日の献立であるザンタレ丼と石狩鍋について児童たちとの活発なやりとりが交わされます。ザンタレ丼というのは、釧路名物のザンギに甘酸っぱいタレをからめた丼のこと。「ザンタレ丼はどこのまちの料理かな?」「釧路!」「はーい、正解。じゃあ、釧路について何か知っていることは?」おなじように石狩鍋についても「石狩についてどんなことを知ってるかな?」と質問がつづきます。「こうして郷土料理を食べることを通して、その地域のことを知ってほしいと思っています」と、本郷先生は言います。

毎月1回お母さん方に届ける給食便り
食育に関する情報がわかりやすく
書かれている
月に一度の「日本の味めぐり」
全国の郷土料理が給食と
資料を通して体験学習できる

 

食べる食育、つくる食育。

 先生の言うように、東札幌小学校では月に一度全国の郷土料理が給食に出ます、題して「日本の味めぐり」。「これまでに、長崎ちゃんぽん、沖縄そばなどを給食に出して、それぞれのまちを勉強してきました」今回は地元北海道に焦点を当てて、いよいよ給食タイム。取材班も一緒にいただきましたが、初めて食べた釧路のザンタレ丼がなかなかイケていました。児童たちも口々に「おいしかったよ」と言ってくれたので、「“にれさん”たちはいつも反応がいいので、心がほっこりします」と、先生もにっこり。

 ほかに食育の取り組みとしては、地産地消の意識をはぐくむ「道産子食材を食べよう」という企画や、毎月1回お母さん方に届ける給食便りがあります。その裏面には1か月分の給食メニューが並び、各メニュー毎にすべての材料とカロリー量、カルシウム量がびっしりと記されています。「大人になったときに身に付くように、日頃の食事から栄養バランスなど自分で気が付いたり意識できるようになれば、と思ってつづけています」

 また、ユニークなのがじゃがいも学習。「3年生2クラスが対象です。北方自然教育園で春に種いもを植えて秋に収穫、さらに収穫したじゃがいもからデンプンを取り出すまでを体験します。3年生の児童からは『ほんごう先生、ありがとうございます』という手紙をもらいました。こういうのって、うれしいですよね」

3年生のじゃがいも学習。じゃがいもの種いも植えから収穫、デンプンの取り出し、いももちの調理まで体験するユニークな
授業。

 

給食室はクール&ドライ。

 ベテランの本郷先生ですが、なぜこの道に進もうと?「やはりほかの栄養士さんとおなじですね。小さいときから料理が好きで、高校のときには食べることに関係する道、栄養士の道に進もうと決めて短大に進学しました。実習先の小学校でいい印象をもったことも気持ちを固めてくれました」

 キャリアスタートは?「最初は札幌市教育委員会からスタートしました。そこから、幌南小、澄川南小、藻岩小などを経て前任地は石山小学校、この東札幌小学校は9番目の職場で2014年4月に着任したばかりです。ここは、先生方も調理員や用務員の方も皆さんとてもプロフェッショナル、一人一人が何でもできる力を持ちながらいつも協力し合っているんです。栄養教諭が食育を担当するのは当校では初めてのことですが、私も温かく迎えていただき、皆さんにいろいろとお世話になっています」

 校舎も完成したばかりで、新しい素晴らしい環境の中でのお仕事ですね。「そうなんです。現在はもう1校、西白石小学校の分もふくめて7人の調理員さんが毎日750食分の給食をつくっています。本校は、ドライシステム校でして、調理室は、食中毒につながる高温多湿にならないための環境が整えられています。衛生的な仕事ができることに感謝しております。給食の調理は、早朝の食材の納入確認に始まり、製造月日の確認、作業中の衛生管理と細かくあり、すべての給食がかならず時間内にできることが要求され、厳しいこともあります。でも、食指導をふくめて、今は初めてのワクワク感というか、楽しみの方が大きいですね。」

食事は、コミュニケーション。

 その調理室へ見学に向かう廊下で見つけた給食掲示板、大きな文字で「なにを だれと たべるかが だいじだよね」と書かれていました。一人で食べるより、みんなと食べる、家族と食べる、その方がおいしいに決まっています。

 学校の給食でも、家庭の食事でも、やはり会話、コミュニケーションが一番大事という意味でしょう。「そのことが子どもたちに伝わり、いい反応が返ってきたときは栄養士みょうりにつきます」という本郷先生に、いまどきの子どもたちについて気になっている点を聞きました。

 「そうですね。少し食が細い、かな。残食量が多いと感じます。まだグラウンドが整備中なので運動不足もあるかもしれません。また、カレーやビビンバ、揚げパンなどの人気メニューの場合はいいのですが、食べたことのないものはハナからよけてしまう食わず嫌いの子もいます。しろっぴーや歌のパフォーマンスつきでもっと食べることへの関心を促していますが、家庭でも、お母さん方にはめげずに粘り強く声がけをしていただきたいですね」

インタビュー・文/三浦清隆  写真撮影/寺沢写真スタジオ

 

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