HOME特集記事 > 栄養士さんご紹介 第4回 東 定利先生(学校給食ごはん Vol.4 - 2013 秋号掲載)

栄養士さんご紹介第4回

石狩市立花川小学校・栄養教諭
東 定利 先生

きることは べることだ、と伝えたい。

東 定利先生

朝食ぬきの子がほとんどいないワケ?

 今回訪れた花川小学校は、今年開校140周年を迎えた道内有数の歴史ある小学校です。平成24年度より北海道教育委員会から「学校力向上に関する総合実践事業」の指定を受けており、児童の学力や体力向上のためのさまざまな取り組みが行われています。

石狩市立花川小学校 武田淳校長先生

 「児童は毎朝、授業の前にグラウンドを走ります。冬は室内で3分間の縄跳び。その後、スキルタイムといって各自がドリルや読書をし、頭と身体を活性化させてから一日が始まります。空腹では、午前中の活動についてこれないことは、ご家庭もよく理解していただいているので、ほとんどの子は朝食を食べてきますね」と語るのは、武田淳校長先生。また、「食事のマナーなど食育にも力を入れており、東先生が先頭に立って頑張ってくれています。先生は、とくに子どもたちとの距離感というか、接し方が素晴らしい」と称賛していました。

写真左/食育に用いた鮭の模型にみんな興味津々 右上/取材日の給食 右下/生徒の様子を気にする東先生

石狩市立花川小学校 栄養教諭 東定利先生と
石狩市学校給食センターのみなさん

── その東先生は、男性の栄養教諭。道内ではめずらしいのでは?

 「大学では同期生200人中男子は7人でした(笑)しかも、卒業して現在、栄養士を続けているのは4人だけで、学校で働いているのは今のところ私だけですね」という東さん。偶然ですが、以前に『学校給食ごはん』に登場していただいた2人の栄養士さんとはお知り合いなのだとか。

ペロリしたか? ペロリしたよ!
食育通信 ペロリ!

 さて、5年1組の教室へ移動し、私たち取材班も児童たちに混じって給食をいただくことになりました。この日の献立は、鮭の塩焼き、筑前煮、厚田産の味噌を使用したあさりのみそ汁、牛乳、ごはんは石狩産米の「ななつぼし」です。まず始めに、東先生の10分間ミニ食育授業。鮭の模型を使いながら、オス・メスの見分け方から、カルシウムやタンパク質、EPA(エイコサペンタエン酸)や“頭が良くなる”DHA(ドコサヘキサエン酸)など栄養価の話まで、テンポのいい授業に児童も活発に反応します。そして、給食はほぼ全員が完食、と思ったら「おっ、ごはん粒が残ってるぞ」と、先生の鋭いツッコミが。毎月発行している食育通信のタイトルは、『ペロリ』。この学校では給食を残さず食べることを、ペロリする、と言うそうです。児童たちは東先生の顔を見ると「今日はペロリした、イェーイ!」と言ってハイタッチを交わします。なるほど、このノリの良さが校長先生も感心する「子どもたちとの距離感」なのですね。

理科の授業で、ヘチマを調理しながら食育!

── 食育の取り組みとしては、ほかにどんなものがありますか?

 「例えば、理科の授業にも食育が取り入れられています。学校菜園で育てたインゲン豆やナス、ヘチマなどの成長を観察し、秋に収穫し料理して食べるのです。ヘチマの味噌いためや天ぷらの意外なおいしさに、みんなびっくりしながら喜んでくれます」

フレンチのシェフになりたかった。

 実をいうと、花川小学校では給食をつくっていません。石狩市学校給食センターから毎日届けられるのです。東先生自身も学校に所属しながらセンターの栄養士も兼務するという、忙しい日々を送っています。

 「給食センターでは、石狩市の小学校8校に毎日2,990食を届けています。私ともう一人栄養士がいて、ひと月交代でメニューづくりを担当しています。人気メニューといえばカレーライス、ハヤシライス、揚げパン、といったところですが、できるだけ旬の食材、地元の食材を、とは考えています。地産地消をめざし、地元の生産者等の協力を得ながら『いしかりデー』を設けていまして、今回は地元ブランドの望来豚(もうらいとん)を使った豚汁、米は新米の『ゆめぴりか』を食べてもらおうと思っています」

鮮やかな手際でオリジナルレシピを披露

 ところで、毎回栄養士さんにお願いしているオリジナルレシピですが、今回は実際に調理室で料理しながら紹介してくれるとのこと。メニューは「鱈のチーズソテー」白衣に着替えた先生へのインタビューがつづきます。

 「じつはフレンチのシェフになりたかったんです。小学生のときから料理が好きで、テレビで観た北海道出身の有名なフレンチのシェフにあこがれました。やむなく進路を変更して大学進学後も、やはりずっと料理に関わってきました。大学の非常勤職員を経て歌志内市給食センター、恵庭市給食センター、厚田中学校、花川南中学校、そして現在と、本当に場所はいろいろですが」

子どもたちへ、お母さんたちへ。

── 栄養士として、一番うれしかったこと、悲しかったことを教えてください。

「うれしいのは、月並みですが食べている子どもたちの笑顔を見ることに尽きます。報われますね。悲しいのは、残食。たいがいは手をかけたものほど残される(苦笑)」

── なるほど。では最後に、子どもたちとお母さんたちへのメッセージを。

 「子どもたちへは、栄養の知識も大切ですが、食事のマナーも含め人としての基本を伝えていきたいですね。箸を正しく持てない子、食器を持たずに犬食いする子、おかずばっかり先に食べてしまう“ばっかり食べ”をする子も少なくありません。生きることは、食べること。『いただきます』は、野菜や生き物のいのちをいただくこと。だから、おろそかにしてほしくないのです。児童たちはいまは理解できないかもしれませんが、言いつづけることが大切だと思っています。お母さん方へは、ぜひ子どもと一緒に料理をしていただきたいと思います。料理は、楽しみながら子どもの脳を活発にしてくれます。それと、新鮮な地元の食材をできるだけ使ってあげてほしいですね」

 兼務の職以外にも、教師養成講座の講師を努めたり、1型糖尿病患者を支援する「北海道つぼみの会」に同じ栄養教諭や他の職域の栄養士・医師・看護師と連携しながら参加するなど学外活動にも積極的な、東先生。「食の時代」に栄養士が活躍できる場はますます広がりそうです。試食した「鱈のチーズソテー」おいしかったです。ごちそうさまでした。

インタビュー・文/三浦清隆    写真撮影/寺沢写真スタジオ

 

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