HOME特集記事 > 栄養士さんご紹介 第2回 宮武 知美先生(学校給食ごはん Vol.2 - 2013 春号掲載)

栄養士さんご紹介第2回

札幌市立真栄中学校・栄養職員
宮武 知美 先生

もしろアイデアで、しい給食。

宮武 知美先生
給食メニュー総選挙!

── 真栄中学校を訪れるとロビーに大きなポスターが。タイトルは、「真栄中給食総選挙2012」。その時はちょうど衆議院総選挙が行われた直後だったので目を引きました。

 「給食週間への関心を盛り上げるために、給食委員会の生徒が数ある給食メニューの中から候補となるメニューを厳選し、全校生徒に投票してもらいました。各部門で1位当選したものを給食週間のメニューにしたんですよ」

── 全8部門の結果を少し紹介しますと、パン部門はシナモン揚げパンが690票中545票、ごはんのおかず部門は豚汁が363票、めん部門は味噌バターコーンラーメンが342票、混ぜごはん部門はとりめしが364票、どんぶり部門は味噌カツ丼が396票で、それぞれ堂々の1位でした。

 「本当はもう一品、ビビンバがありますが、いつも断然一番人気なので今回は殿堂入りさせてしまいました(笑)」と語る宮武先生は、なかなかのアイデア栄養士さん。毎月発行している「給食だより」にはユニークなキャッチコピーが並んでいます。例えば「野菜食べますか? それとも便秘しますか?」「いいね、その骨、丈夫だね。」(韻を踏んでいます)「『人を良くする』と書いて『食』。『人と仲良くなる』と書いて『食』」etc. ちょっと手に取って見たくなりますね。 また、それだけでなく年に2、3回ビデオ制作までしています。

食育ビデオ「鉄子の部屋」脚本・演出・主演!
鉄子の部屋
宮武先生扮する「白柳鉄子」さんが鉄分の大切さを伝える食育 ビデオ。パロディあり、寸劇あり、ダンスあり?! 出演している給食委員会の生徒もノリノリで、とにかく面白い。
強烈なキャラクター
「ごとひれあきこ」さん

鉄分豊富な「ごま・豆腐・ひじき・レバー・あさり・切干大根・小松菜」

ビデオに登場するイラスト。
鉄分が足りないとこうなります。

「昔からテレビや広告を見るのが好きで、『給食だより』などの見出しを考えるときにネタとして使ったりしています。食育ビデオは、給食や栄養への関心を高めてもらうために私がシナリオを書いて、給食委員と一緒に楽しみながら制作したものを全校放送しています」

── その中の1本、『鉄子の部屋』が傑作です。貧血予防に欠かせない栄養素である鉄分の大切さを訴える内容で、主演は、鉄子こと宮武先生! ゲストとして登場するキャラクターは「ごとひれあきこ」さん。じつはこれ、鉄分の多い食材である「ごま・豆腐・ひじき・レバー・あさり・切干大根・小松菜」の頭文字から取った名前で、イラストは生徒が描いたもの。
とてもユニークな取り組みですが、なぜここまで?

 「やっぱり好きだから、ですかね? それと、最初の赴任先である小学校からここへ移ってきた当初、ちょっととまどうことがありまして。素直に言うことを聞く小学生に比べ、中学生は伝わりにくいというか、給食を簡単に残そうとするし、食べ物に対する関心もあまり高くなかったんですね。それで、中学生が食いついてくるような、インパクトのある給食指導をしよう、と。比較的規模の大きい真栄中には給食委員会があるので、目立ちたがりの委員全員を巻き込んで面白いものをつくろうと考えたのです」

── メンバー全員で意見を出し合いながら、ユーモアにつつんで大切なことを分かりやすく伝える。このこと自体が、期せずして素晴らしいコミュニケーション教育になっていると感じました。

やめたいと思ったことは一度もない。
給食委員会では委員の活発な意見が飛び交う。

── 宮武先生の活動は学校内だけに止まりません。校区である清田区周辺では「ポーラスター」という名前のほうれんそうが作られています。宮武先生はその宣伝のために「ポーラちゃん」というキャラクターやプロモーションビデオの制作を担当、栄養士仲間とともに農家を応援しています。また、真栄中学校では、2年生が毎年長沼町に田植え体験に行き、収穫した新米の給食を農家の方も招待して一緒に味わう、という取り組みもしています。どちらも、生産者と消費者の距離を縮め、食に対する感謝・関心、そして地産地消を広める試みです。

 宮武先生は栄養士として6年目。大切に思っていることを聞きました。
 「食物アレルギーの問題とか調理員さんとのコミュニケーションとか、いろいろ大事ですが、いつも自分らしさを大切にしています。中学生のころから給食が大好き、特に肉が大好きで、友達が残したりすると反発するような子でした。実家が別海町で酪農を営んでいるので、食べ物の大切さや農家の大変さをいつも感じていましたから。そんな自分の思いを表現できる職業が、栄養士でした。この仕事をめざして以来、やめたいと思ったことは一度もないですね。うれしかったことですか? いっぱいありますが一番は、ある生徒が将来は栄養士になりたいと言ってくれたこと、かな。ああ、私の仕事をちゃんと見てくれているんだなあ、とうれしい気持ちになりました」

エムテン
ほうれんそうのキャラクター
「ポーラちゃん」
エムテン
ユニークなキャッチコピーが並ぶ、
「給食カレンダー」
エムテン
調理員さん達と共に。
なんでも食べる。みんなで食べる。

── 最後に、栄養士としてのお母さんたちへのメッセージを聞きました。

 「まず、子どもが食べたいものだけを食べさせていませんか、ということですね。5月に40名の保護者の方々をお招きして給食試食会を行いました。幸い献立は好評でしたが、『うちの子は食べ物の好みがはっきりしてきた。嫌いなものは絶対食べない』という声も聞かれました。ふだんの給食でも、ひじきや酢の物などは30%ほども残ってしまいます。でも、子どものために必要な栄養なのですから、ひじきや魚などもあきらめないで食卓に出しつづけていただきたいですね。もう一つは、食事の取り方です。塾に通う子や、ご両親が共働きの家庭では難しいことは分かりますが、せめて週に一度、ご家族全員で食卓を囲んでコミュニケーションを持っていただきたいです。料理もいっそうおいしく食べられるはずですから。」

インタビュー・文/三浦清隆    写真撮影/寺沢写真スタジオ

 

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