HOME特集記事 > 地産給食 生産者Letter 第7回(学校給食ごはん Vol.7 - 2014 冬号掲載)

地産給食 生産者Letter第7回

JAようてい馬鈴しょ生産組合長/倶知安町
三木 繁勝 さん

どんな料理にも合う、きたかむいは人。

走行する取材班の車窓からはみ出すくらいに、雲をかぶった羊蹄山の雄姿が間近に迫ってきます。

この一帯は、十勝地区・北見地区と並ぶ北海道の3大じゃがいも生産地の一つ。主力の男しゃくのほかに、JAようていが近年力を入れているのが、きたかむいという新しい品種です。

生産者の代表として倶知安町の三木繁勝さんを訪ね、お話を聞いてきました。

風に吹かれて、きたかむいの古里へ。

 11月初旬の倶知安の町は行けども行けども風の中、真冬のさらなる厳しさが思いやられます。JAようていは、羊蹄山をぐるりと取り囲む寿都町、黒松内町、蘭越町、ニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、京極町、倶知安町の9つの町村で構成される農業協同組合。目の前に羊蹄山がそびえ、ニセコ連峰が連なる雄大な景観のもと、じゃがいも部会長である三木繁勝さんの畑は9月に収穫を終え静かな眠りに就いていました。

 今年の作柄はどうだったのでしょうか?

 「平年並みではあるけど、干ばつ気味であまり大きな粒が揃わなかった。毎年、天気と相談しながら植え付けや収穫時期を計っていますが、実際のところ、掘ってみるまで地下のいもの様子は分かりません。とくにここ10年ほどは、温暖化の影響で気候が不安定になっています。収穫も9月が勝負、と早めになりました」道路を挟んで2枚、少し離れた場所にも畑があり、合わせて25haを所有する三木さん。じゃがいものほかには、どんな作物を?

 「麦、てんさい、小豆なども育てています。じゃがいもは、男しゃくが約70%、とうやが20%弱、きたかむいはまだ10%くらいかな。もっと作りたいけど、きたかむいという品種は出回り始めて数年しか経っていないので、知名度はまだ低く、需要に見合った生産をしながら、少しづつ生産を増やしていきたい。JAようてい全体でも、きたかむいの作付面積は150haほどにすぎません」

丸顔、色白美人のきたかむい。

 きたかむいという品種の特長は?「とうやと黄色系品種を掛け合わせて誕生した、5年目の品種です。ひと言でいうと、特長のないところが特長かなあ(笑)つまり、どんな料理にも合うということですよ。甘みの強い品種は単独ではおいしいが、ほかの食材と合わせると主張しすぎるところがある。その点、きたかむいはオールマイティ。でこぼこした男しゃくと比べると、かたちもつるんと丸くて、白色系の肉は見た目がきれいで煮くずれしにくい。芽が浅くて調理がしやすいので、学校給食でも人気が高いようです」

 なんだ、いっぱい特長があるじゃないですか!

 「そうですかね(笑)作る側からすれば、収量がそこそこあって、大きくなるのが早いのもありがたい。また、もともと病害に強い品種をという目的で開発されたので、その点も強みかなと思います」いかにも三木さんの奥ゆかしい人柄がうかがえる説明でしたが、このきたかむい、現在は関東を中心に出荷しているそうです。需要の状況を見ながら徐々に知名度アップをめざしていきたい、と三木さんもJAようていの土井信一課長も口を揃えます。

自分は下手くそだと思っている。

 三木さんは、この道30年の4代目。なぜ農業をやろうと思ったか、という質問には、「理由もなにも、そうなるもんだと小学生のころから決めていました。長男なので早くからいも拾いの手伝いをしていたし、小・中学生あわせて14名の学校で、回りの友達も農家を継ぐ者がほとんどでしたから。父が60歳、自分が25歳になったとき代替わりして畑を引き継ぎました」

 3代目のお父さんは4.5町(約4.5ha)の畑を祖父から引き継ぎ、10haまで広げてくれていました。そこから、後継者がいなくて閉農する人の畑を引き受けたりしながら、現在25haにまで広げてきました。そんな三木さんが意外にも「自分は農業が下手くそだと思っている」といいます。「農業はセンスというか、カンが基本。そういうカンのいい人に負けないように、一生懸命に考えてきた。自分はまたマイナス思考だから、つねに最悪から物事を考える。毎年少しずつ違うことを試していて、本掘りしたときに考えた通りの成果が得られればホッとするし、それが最大の喜び」控えめなことばの中にも自負がうかがえます。JAの土井課長も「三木さんは謙遜していますが、毎年収量も多いし、モノがいいんですよ」と証言しています。

じゃがいもをテーマに食育活動へも参加
(2014年11月、徳島の小学校でお話をする三木さん)

 では、最後に子どもたちへメッセージを。

 「給食とは関係ないかもしれませんが、変わりやすい自然が相手の農業では、つねに新しい変化を受け入れることが大切。子どもたちには、いろいろな考えの他人を受け入れる、ということを今から学んでほしいですね」

 

農協/ホクレン/北海道産青果物拡販宣伝協議会
インタビュー・文/三浦清隆

 

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