HOME特集記事 > 地産給食 生産者Letter 第2回(学校給食ごはん Vol.2 - 2013 春号掲載)

地産給食 生産者Letter第2回

農業生産法人 コスモス 代表取締役
安藤 登美子 さん

勝若牛は、やわらかくてヘルシー。
いくらでも食べられますよ。

学校給食週間にご当地グルメが登場した、ということでも話題になった十勝清水町の牛玉ステーキ丼(以下、牛玉丼)。
牛肉は地元ブランドの十勝若牛が使われ、赤身のあっさりした旨味が子どもたちにも大好評だったとか。その十勝若牛を2,000頭余りも育てているという『コスモスファーム』を訪ね、お話を聞いてきました。

牛玉丼で地域を元気にしたい。
吉田 寛臣氏
十勝清水牛玉ステーキ丼・
地域活性化協議会 事務局長
吉田 寛臣氏
写真は、コスモスファーム直営のレストラン
『風車』で提供される、牛玉ステーキ丼。

 最初に訪ねたのは、清水町役場の吉田寛臣さん。『十勝清水牛玉ステーキ丼・地域活性化協議会』の事務局長であり、このご当地グルメの仕掛人のひとりです。「十勝清水町は牛肉の生産量は道内2位、鶏卵の生産量が道内3位です。この地元の豊かな食材を活かして地域活性化につなげようと、仲間と試行錯誤しながら完成したのが牛玉丼でした。地元産の十勝若牛を使用した味噌味のサイコロステーキ、スクランブル卵、など地産地消にこだわったルールも決めました」
 反響は上々で 、『ご当地グルメグランプリ北海道』では初出場で準グランプリを獲得。現在は町内12店舗で提供されています。「学校給食は予算が決まっていて採算は厳しかったですが、牛玉丼を広めようという目的がありましたから。不足分は協議会からの持ち出しでした(笑)」一過性のイベントに終っては何も残らない、と吉田さんは言います。学校給食や料理教室など、牛玉丼普及のために地道な活動が日々続けられています。

十勝若牛のふるさとは 美しかった。

 雪一面の平野,前方に望む日高の白い山々。芽吹きの季節にはさぞかし癒されそうな雄大な景観の中に、コスモスファームはありました。3万坪を優に超える敷地、入口近くの“牛の館”で代表の安藤登美子さんと奥山勉専務にお話を聞きました。

広々とした牛舎では、手入れの行き届いた牛たちがのびのびと気持ちよさそうに肥育されている。


 いまは何種類の牛を?
 「ホルスタイン種ばかり、18棟の牛舎に現在2,300頭ほどいます。それと、ブラウンスイス種を15頭。これは私の趣味です(笑)とにかく、かわいいんですよ!」「10年前から全頭若牛(十勝若牛)に切り換えました。肉牛はふつう、約50kgの赤ちゃん牛を仕入れ20ヶ月後に800kgほどで出荷しますが、若牛は14ヶ月600kgほどで出荷しています。もともと資金の回転や生産効率を高めるための発想でしたが、結果的に、脂肪は少ないのに柔らかくて旨味のある赤身肉がとくに本場の関西で評判になりました。仲卸しの方から牛肉の常識を変える味とまで言っていただき、いまは人気に供給が追いつかない状況です」
 奥山専務も「仔牛肉のようにあっさりして、牛肉特有のクセがないからいくらでも食べられます。ヘルシーだしね」と力説します。北海道は牛肉生産量全国一ですが、新しいブランド牛肉への期待も膨らみます。「そのためにも飼料の改良とか牛舎の環境とか、大学の先生方の力も借りて研究をつづけています。質の向上に終りはありませんから」と安藤さんは言います。

牛を育てる人を育てる。

 これほどの規模の牧場で、女性オーナーはきっとめずらしい。コスモスファームはもともとJA職員だったご主人が、誕生と同時に廃棄されてきた牡牛ホルスタインの命を生かしたい、という思いから始めたものでした。しかし、平成2年にご主人は交通事故で亡くなります。翌年には牛肉の自由化が迫っていました。
 「会社員と結婚したはずなのに、突然、なにも分からない私が牧場に残されたわけですからねえ。結局、私の背中を押してくれたのは、人でした。専務や牧場長などまわりの人たち。当社の自慢は、いつも人に困らないし定着率も高いことなんです。募集しないのに、いろいろな経歴の人が来ます。年齢は21歳から69歳まで、元不動産業、元銀行員、元清掃員、元大工さん、元整備工、元自衛隊、元トラックの運転手、面白いでしょ(笑)」
 「今日ではロボット哺乳が主流ですが、ウチでは未熟牛も引き受け1頭1頭哺乳びんで飲ませています。手間はかかりますが、その分だけスタッフには育てる技術が身につきます。食の安全のためにHACCP(ハサップ・総合衛生管理)にも積極的に取り組んでいますが、これには知識や技術を全員で共有するという社員の意識向上のねらいもあるんです」

人と夢と思い出が集う場所、牛の館。

 「ようやく経営的に安定してきたのはここ3年くらいかしら。それで、この『牛の館』を建てました、夫の23回忌を機に。ここは、みんなが気ままに集える場所にしたい。夫はトランペットを吹いていましたが、当時の仲間たちとジャズコンサートを開いたり、ここからなにかを発信したり、そんな夢を描きながら働いています」
 大きな牧場には、大きなロマンがありました。最後の質問。十勝若牛の最高においしい食べ方は?「しゃぶしゃぶ!(笑)」安藤さん、即答でした。
 取材後、牧場直営のレストラン『風車』で待望の牛玉丼を試食。なるほど柔らかくてクセのない味ですいすい食べられます。次回はぜひ、しゃぶしゃぶを。

インタビュー・文/三浦清隆    写真撮影/寺沢写真スタジオ

 

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